▼ elの運用プラン
・elは、不合理な感情の操作的改善を目的として運用する。elには操作限界が存在するが、操作可能範囲内で最良の状態を築き上げることを目的として運用する。
・elの参照と運用を継続すること。elのアップデートは運用によるフィードバックを重用する。
▼ el 5.1 目次
・動機づけ操作
・行動化
・感情最適化
・抑うつ対処
・怒り対処
・緊張・不安対処
・感情操作全般
・対人関係技術
・関係促進
・関係調整
・ゲーム戦略操作
______________________________ 行動化
行動化のモデル
・人間はすでにある情報にもとづいて行動する。新しい情報は論理、表象、経験、環境の操作によって入力できる。
・行動化の操作条件は「抑うつを解決していること」。操作限界を持ちうるのは「主体の価値判断」、「現在の体調と生理的欲求」、「現在の環境誘因」など。
行動化の実行プラン
1.行動Aの理由(メリット)をカラムによって導出する
2.行動Aのゴールと達成までの道筋を詳細に描き、目標表象を具体化する
3.行動Aの達成予定表を作成し、達成することにコミットする
4.行動Aの不達成に対する罰をコミットする
5.行動Aのリハーサル思考をイメージして、行動化が必要となる状況に反応するための準備をする
6.行動Aの達成を記録する(フィードバックと強化子)
7.行動化を促す環境操作をする
8.行動A/を抑制する
9.望ましくない感情や思考に対してDMを行う
10. 実際の行動必要場面で、必要感をラベリングして、カラムの理由や目標表象を想起する。 ※ラベリングは注意を内的認知に固着させる副作用があるので、価値の明文化と目標の具体化を行なっていないなら、実践を意図すべきでない。
▼動機づけカラム
・行動化のメリットを推論する際、自我関与的なメリットや統制的なメリットは避け、自己の維持と発展を価値基準とするメリットを推論する。
・行動化を妨げている両価性を分析して、行動化のデメリットを解決する。
・行動化のメリットとデメリットのそれぞれに点数を付けて、合計点の大小で行動を選択する。
・行動化を妨げるトリガー思考を書き出し、反論する。
▼目標表象形成
・目標の達成に要する仕事量を、1日単位や1時間単位に細分化して把握する。
・目標表象が曖昧な場合は、ゴールの具体的状態をイメージ法で見て、それを言語化して書き出す。
・遂行目標ではなく学習目標を持つ。例えば、「作品を完成させること」ではなく「制作を通して勉強すること、楽しむこと」を目標とする。
・相対的目標ではなく絶対的目標を持つ。相手次第で自分の感情が左右されることは、自律性を失うので避ける。
・「達成できるかできないか」くらいの難易度の目標表象を形成する。期限と目標達成量を調節する。
・嫌子や手間をできる限り排除した行動表象を策定し、行動Aを目的に対してスマート化する。
▼構え形成
・直近の行動Aを行っている場面をイメージして、具体的な行動表象を形成する。
・行動化が必要となる状況をイメージして、必要となる行動を反復的に練習する。
▼コミット
・行動Aに伴う不快や苦痛などのデメリットを進んで受け入れることをコミットする。
・コミットが守られることによるメリットをイメージする。
・コミットには有効期限を設定する。
・コミットは、抑うつによって破綻しうるので、抑うつを避ける。
▼環境操作
・行動Aを引き起こす先行刺激を用意する。
例 ) 目につく場所にタスクを列挙した紙を置くことで、タスクを認知する頻度を上げて、タスクを達成することに動機づける。
・行動Aを引き起こす不可逆的な先行刺激を用意する。
・行動A以外の可能的行動を減らすように環境を操作する。
▼行動A/抑制
・ABC分析を行い、行動A/を引き起こす誘因を環境操作で遠ざける。
・行動A/のデメリットをカラムで明確にする。
・行動A/に繋がる思考をDMする。
◆発展技法
・最大限努力を引き出すために、最大限努力が実現した際のメリットを推論する。
・目標表象を形成した後は、ATTとDMだけで直感的に行動する。
______________________________ 抑うつ対処
抑うつ対処のモデル
・食事、睡眠、運動の習慣は、心的な習慣に影響を与える。1週間平均7時間の睡眠が最もうつ病にかかりにくい。
・誤ったメタ認知的信念は、自己への固着化した注意と対処反応を生み、ネガティブな感情的経験を持続させる。感情的反応を維持する役に立たない考え方のスタイルをCASと呼ぶ。CASは、心配と反芻、脅威の監視、役に立たない思考制御方略と、適応的学習を妨げる回避行動から構成される。
・鏡像的他者への羨望によって低められた自尊心とそれによる抑うつを断ち切るには、自発的去勢を要する。自己の現状を受け入れ、自己を価値基準として考えることで、自尊心を回復する。
抑うつ対処の実行プラン
1.ATTを行い、注意の柔軟な制御を改善する
2.思考に対してDMを行い、概念的処理を中断し、メタ的気づきを促進する
3.トリガーとなっている思考に対してMCT問答法を行う
4.トリガーとなっている思考に対してCBT問答法を行う
5.カラムで得た新しい認知的信念を、十分に学習して、問題場面に適用する
▼DMの心理的要素
・メタ的気づき(思考への意識)
・認知的脱中心化(事実とは区別された出来事として思考を理解する)
・距離を置く注意の向け方と注意制御(注意が柔軟性を保ち、どんな1つのことにも留まらないこと)
・弱い概念的処理(低水準の意味を知ることに基づいた分析や内言)
・弱い目標志向的対処(誤った脅威を回避したり排除したりするための行動や目標は実行しない)
・変化した自己意識(思考と信念から独立した観察者という特異な自己意識の経験)
・トリガー思考を、その思考の外から眺める。
・自分の思考と自分の周囲で起きていることを同時に見る。
・トリガー思考を止めようとしない。多大な注意を払ったりコントロールしたり罰したりすることなく、あらゆるものをただ見続ける。
▼MCT問答法
a. 内的トリガーは何か?
b. 続けて何を考えるか(どう反応するか)?
b'. { bを繰り返す }
c. あなたはどれくらいの時間そうしているのか?
d. そうしないことは制御可能か?(ネガティブなメタ認知的信念への取り組み)
d'. 反証はないか? ATTとDMをせよ
e. そうすることは何か利点があるか?(ポジティブなメタ認知的信念への取り組み)
e'. それは事実か?反証はないか?他によりよい方法はないか?
▼CBT問答法
a. 外的トリガーは何か?
b. それはあなたにとって何を意味するか?
b'. { bを繰り返す }
c. その根拠は何か?それは事実か?反証はないか?
▼環境操作
・規則正しい睡眠、食事、運動により生理的ストレスを解消する。
・身体的な不快感(腹痛、吐き気、怠さ、寒さなど)には、DMを行いつつ現実的な対処を行う。
・コーピングする。 トリガー思考の原因となっている現実的な問題を特定し、環境要因を解決して適応するために対処行動を策定して実行する。
◆発展技法
・他者への妄想を注意して反証する。現実に起きたことのみを重視する。前向きな行動へと動機づけられるようなイメージを行う。
・気分転換に誰かと会話して笑い合う。
______________________________ 怒り対処
怒り対処のモデル
・怒りは、自己への不当な侵害に対して自己防衛のために喚起される。
・怒りと抑うつは一方から他方へと変化する場合がある。
・生理的および物理的ストレッサーは怒りのトリガーとなるが、認知的信念によってはそうならない場合がある。
・他者の行動に対するバイアスのかかった解釈は、怒りの原因となるが、怒りの結果でもある。そういった解釈の一つ一つを反証していくことよりも、怒りの核心となっている認知的信念に取り組む必要がある。
・他者の人生に踏み込んで「かくあるべき」と当為を当てはめることや、目標の成否の条件に他者の振る舞いを含めることは、怒りのトリガーを増やす。
・なんらかの失敗のストレスから、失敗の原因を他者に転嫁しようとする働きがある。この作用は怒りのトリガーを増やす。失敗しないための対処行動をすること及び成功することによって怒りが解決する。
・主張性の欠如は対処行動を抑圧し、怒りを増幅する。
怒り対処の実行プラン
1.怒りがそのまま非理性的に表出することを防ぐために、ストレス低減行動をとる
2.怒りを合理的に解釈するために、怒り対処のカラムを行う
3.現実的かつ適切な対処行動をとる
▼ストレス低減行動
・怒りのトリガーとなる思考に対してDMする。
・ストレッサーを特定して、その認知を低減する。騒音に対する耳栓など。
・呼吸法を行う(吸気3秒・呼気6秒を2分間)。
・気晴らしと休養をとって怒りの増幅を止める。
▼怒り対処のカラム
・何がどのように侵害されたか、怒りはどのような目標の達成に向かっているのか、を筆記する。また、怒りの対象に宛てて、自らの怒っている理由と要望を手紙形式で筆記する。筆記された文章を分析して、誤った認知的信念と根本的なストレッサーを特定し、その対処に取り組む。
▼現実的対処行動
・怒る必要がなかったり、問題解決にとって怒りが有用でないなら、怒りの対象との関係改善に働きかける。関係が悪化しているという認知的信念の消滅は、怒りのトリガーを低減する。
・怒りのトリガー事象に対して、対処行動をとる。
・空腹や課題の停滞などのストレスを出来る限り解消する。
・対人の怒りにおいては、主張性を発揮し、適切な依頼行動や他者動機づけを行う。
______________________________ 緊張・不安対処
・自己の行動を他者の視点からではなく、自らの正しさの基準で評価する。
・リラクセーションを行う。
・DM、カラムを行う。
・リハーサルイメージとリハーサル行動(反復練習)を行う。これは、目標表象形成と戦略策定を促し、能力の拡充を経て緊張および不安を解消する現実的対処行動となる。
______________________________ 感情操作全般
[モデル]
・感情のままに行動するのではなく、それを制御したほうが成功する場面は多い。ギャンブル、犯罪、恋愛など。
・短期的な勝ちのための行動による長期的な負けを避けるには感情操作が必要である。
・イメージの上手下手は生理的欲求を上下させ、行動の有無に影響する。
・感情操作全般の操作限界となりうるのは、「体因性(身体的基盤のある精神障害)の問題感情」、「内因性(統合失調症、気分障害等)の問題感情」などがある。
・操作限界を超えている場合は、 操作技法が上手くいかず、注意を内的認知に固着させて苦痛を持続させかねない。この場合、他者に助けを求めたり、環境誘因に変化を求めて直感的に行動することが有効であることが多い。 環境の変化に限界がある場合は、リラクセーションによって耐えることが望ましい。
[プラン]
・行動した場合としなかった場合のそれぞれが引き起こす未来の成功と失敗およびメリットとデメリットをイメージ体験する。これを行動Aへの動機が定着するまで繰り返し行う。
・イメージ体験を文章化する。
______________________________ 関係促進
関係促進のモデル
・協力的関係の発生と継続には、報酬的交換が必要である。
・負債的交換に人は敏感に反応して早く応酬をしようとする。
・自己を受容できる程度が、他者を受容できる程度と相関する。
・他者に対して適切な印象をあたえることができない場面において対人不安は生じる。
・他者からのネガティブ評価を回避しようとする動機は、ポジティブな評価を獲得しようとする動機とは別次元であり、その特性の強さは自己への評価に対する要求水準を高め、他者の行動の中に隠されている自己へのネガティブ評価を敏感に検出するようになる。
関係促進の実行プラン
1.会話をする。会話のきっかけ作りをする
2.報酬を与える聞き方(反射、開いた質問、相槌)をする
3.相手に興味と関心をもつ。興味を示す非言語メッセージを与える
4.適度な自己開示をする。自分自身のことを話すための話題を持つ
5.会話の流れ(話すー交代するー聞く の連続)を作る
6.他者と関係することに自己を動機づける
7.対人不安に対処する
▼会話のきっかけ作り
・自己論述する。「やあ、私は~です」「ここに来るのは初めてなものですから緊張しています」
・何か申し出る。「何か飲み物はいかがですか」
・基本的情報を交換する。「ここには何で来ましたか」「どんな分野のお仕事ですか」
・その場に関連したコメントと質問をする。「私はこういう天候が好きです。あなたは?」
・お世辞と質問をする。「あなたのドレス、本当に気に入ったわ。どこで手に入れましたか」
・メッセージ分類に基いて、他者との会話をシミュレーションする。
a. 情報開示 { 自己開示する、冗談を言う }
b. 利益申出 { 相手を気遣う }
c. 自尊充足 { 開いた質問をする、反射する }
▼聞き手の技法
・反射:話し手のメッセージに含まれる主観的意味を、聞き手のメッセージで返す行為。共感とさらなる発言を促す。 例)妻 「もう、あなたなんか死んでしまえばいいんだわ」 夫 「僕に本当に腹を立てているんだね」
・開いた質問:話し手の内的観点の表出を助ける自由解答的な質問。これに対し、閉じた質問は二者択一か数個の選択肢の中から答えさせ、外的観点からの理解を目指しており、話し手にとって報酬はない。 例)開いた質問「ジョンのこと、どう思う?」 閉じた質問「ジョンのこと、好き?」
・非言語メッセージの一致:言語メッセージに、音声、ボディ、タッチ、行動メッセージが一致していることが他者に確信を与える。音声メッセージは「声の大きさ、高さ、抑揚」に、ボディメッセージは「視線、表情、姿勢」に注意すること。
▼関係阻害要因の防止
・会話内容に対する指図、先導、判断、評価、非難をしない。
・相手の話を遮って自分の話をしない。
・信用を維持する(約束を守る、秘密をばらさない)。
・2人のうち一方だけと仲良くしすぎない。
・自己愛にとらわれず、他者を気遣う会話を心がける。
▼他者への動機づけ
・劣等感をもたらす認知的信念を、カラムと現実的対処で正して、自尊心を確立する。
・「こんなやつと仲良く会話なんかしたくない」などという思考に対しては、その認知的信念をカラムする。
▼対人不安の解消
・自己の行動の評価は、他者の視点からではなく、対人関係技術的にみてどうかを基準にする。
・身だしなみを整えることは対人不安を抑制する。
・対人不安を誘発する他者と会話する前に、類似の他者かつ対人不安を誘発しない他者との会話をリハーサルイメージすることで対人不安が緩和する。
・関係についての自我関与的な認知的信念をカラムで正す。
・対人不安にDMをする。
・対人不安にMCTカラムをする。
______________________________ 関係調整
関係調整のモデル
・アサーションの実行欠如はストレス場面を持続させる。
・相手に対する情報の不足は、恣意的情報の形成や否定的側面の強調という形で他者認知を歪める。非現実的な他者像への期待も、現実の認知を歪める。
・自律性の支援は、選択を与えることと、与えられるべき結果を実行することである。
・他者を統制しようとすると権力争いになる。統制は内発的動機を低め、抵抗を誘発する。
・コンプリメント(ほめること)は、拒絶性スタイルを緩和し、自信をもたせ、行動を強化する。直接的コンプリメントより間接的コンプリメントのほうが効果が高い。
・体面(face)には消極的体面(自由、権利)と積極的体面(自己像の評価)がある。
関係調整の実行プラン
0 . 自己の感情を整える
1.他者を理解し、他者への認知を改善する
2.関係を自律性支援的な関係にする
3.他者を望ましい方向に動機づける
4.主張性を発揮する
5.依頼する
6.攻撃に備える
7.他者への感情を最適化する
▼ 正しい自己を確立する
・抑うつ対処と怒り対処を行い、内的なストレスによる他者像の歪みを克服する。特に、抑うつ対処では、自尊心欠如による卑屈な態度や見捨てられ不安による媚びた態度を克服する。怒り対処では、妄想と内的ストレスによって過剰に敏感になった攻撃的な考えを克服する。
▼正しい他者認識
・相手との情報交換を充実させ、互いの偏見を解く。相手に興味をもって適切に質問する。
・他者の態度に対する信念を書き出し、事実と恣意的想像を分けるカラムを行う。
・相手のメッセージの欠如とそれによる情報不足を考慮しつつ、相手についての恣意的な信念をカラムで正す。何をもって仮説を支持する証拠とするか(基準)を厳密に決めておく。
・カラムにおいて、目前の証拠に気を取られず、「2×2分割表の他の3つの部分はどうなっているか?」と問う。起こらなかったことよりも起こったことばかりに注意が向く傾向に気をつける。
・人づての伝聞は、自分に届くまでの間に歪みが混入している可能性に注意して聞く。
・自分の考えが本当に他人にも支持されているかを問い直す。面と向かって反論されないことは同意の証拠ではない。
・自分が相手に期待している他者像を書き出し、それが非現実的でないか検討する。
・外的文脈を理解する。相手の行動に影響を与えてきた過去の要因、家族からどんなルールや志向性を受け継いだか、関係の外側にある職場のストレスなどはないか、など。
・相手の立場になる。相手がこちらの行動をどう見ているかを理解しようと努める。
▼自律性支援
・他者を、自己を満足させるための対象としてではなく、一つの自律的なエージェントとして見なす。選択をさせ、結果に責任をとらせる。
・望ましい行動を統制することなく促進する。情報を提供し、他者の視点から状況を理解できるようにオープンに話を聞き、「他者中心」の対応をして自律性を支援する。
・統制を避ける。統制には、随伴的愛情や「すべきことをしなさい」というメッセージが見られる。
▼他者動機づけ
・事実に基いて(間接的に)褒める。事実に基づいていない「おだて」は、警戒心を抱かせるので避ける。
・望ましくない行動には、好子を与えず嫌子を与える。ただし統制を感じさせると内発的動機を減じ、反発を招きうるので、主張性の発揮によってこれを実現する。また、望ましい行動の変化には感謝や報酬を示して好子を与える。
・動機づけ面接の技術を使う
a. 変化についての語りを引き出す質問する。「どのような変化が起きてほしいですか?」「どのように変わりたいですか?」など。他に、変化の利害得失、最悪の事態、問題がなかった頃のこと、将来の見通し、人生の価値や目標などについて質問し、考えさせる。
b. 開かれた質問をして、相手の思考・感情・認知を明確に理解する。「具体的には?」「もう少し詳しく言うと?」など。
c. 変わる方向の言葉や話を取り上げ、認めて褒める。自信を与え、変わる勇気を持たせる。
d. 相手の変化についての話を要約して繰り返す。会話の終わりでは方向付けに役立つ言葉をまとめて返す。
▼主張(アサーション)
・「私は」という言葉で始まるメッセージを使う。「あなた」メッセージは、判断や評価、説教になりやすく、聞き手の怒りの引き金となりやすいので避ける。
・自分の思いを語り、かつ相手の思いを語るスペースを残しておく。
・これらのアサーションの実行をリハーサル思考で十分に訓練しておく。 動機づけは行動化の項を参照する。
▼依頼
・依頼の際、相手の体面を維持する。相手を高く評価している態度を示す、自分の誤りを話した後に相手を注意する、遠回しに注意する、相手の肯定的側面についても言及する、など。ただし、遠回しに注意や依頼をするとき、対象の置き換えなどを使って不満を述べる方法は、相手に伝われば怒りを誘発し、伝わらなければ行動の変化はない。 やり方に注意すること。 何が嫌なのかを遠回しに主張する形式をとったほうが良い。
・DESC法(台詞作りの技法)
D:問題の描写。
E:自分の気持ちの表現、相手の気持ちへの共感。
S:相手に変えてほしいと望む言動、解決案、妥協案の作成。
C:肯定的/否定的結果の予測と対応。
※DとEを分けること、Sは小さな行動変容に限ること、Cで必ずNOと言われた場合を想定しておくことに注意する。
例 ) 「部屋が煙草の煙で満ちています (D)。 私は、煙で頭が痛くなって気分が悪くなりました (E)。 窓を開けて煙草を吸ってほしいのですが (S)。 そうすれば、集中して会議に参加できます (C)。」
・依頼された行動をとることが望ましくなる解釈を与える。喜んで強力させる。
・協力的な気持を前提とする。
・相手の防衛的態度を処理する
a. 相手の否定的な反応の後、しばらく間を置いて、冷静かつ断固として再び依頼する。
b. 依頼を繰り返す前に、相手の感情を反射する。
c. お互いが受け入れられる解決策を求めて、交渉する。
・説得を成功させるために、相手に話をしてもらう。それが感情を発散させ、また、語りの中に穴を見つけ、新しい情報を取り入れる余地を生む。こちらから相手の考えに近づく必要がある。
・ノンバーバルなメッセージに気をつける。
・報酬を与え、相手が依頼を受け入れやすい雰囲気を作る。
▼攻撃的批判の対処
・反射を行う。
・攻撃的な批判の一部を認めることで、批判の勢いを削ぐ(分散)。
・反射か分散を用いた後、「私がしたことのどこがまずかったのか、もう少し詳しく言ってくれませんか」というように質問する。攻撃性を弱め、誤解を解く情報を得られる。
・相手の批判を聞き入れる態度を示した後、批判内容と批判の仕方について相手にフィードバックを与える。例えば「そんな刺々しい言い方で批判されると不愉快だな。僕が迎えに来るのが遅くなったのは、車がパンクしたからだ」など。相手はこちらを言い負かそうとすることがあるが、そのときは相手の感じ方を認めつつも、冷静に自分の立場を繰り返し述べる。
・批判をいったん聞いておいて、後日、批判に対応する(延期)。
・「相手がこちらの欲求を無視して操ろうとしている」という意図に気づいたら、パワープレイと見なし、主張(冷静に自分の立場や状況を説明する)、回避(相手との関係から抜け出す)、反撃、服従のいずれかの対処方略を選択する。
▼他者への感情最適化のイメージ法
・まず最初に、リラックスする視覚イメージを2分ほど見る。
・相手をはっきりした「絵」として思い浮かべ、その人にとても良いことが起こったところを思い浮かべる。愛情、注目、お金などを、その人が受け取っている様子をよく見る。
・こちらの相手に対する態度を、相手の観点でイメージする。
・自分が相手になにか良いことをしてあげている様子を見る。
・相手が自分に何か良いことをしてくれている様子を見る。
・相手の好ましい特徴を思い浮かべる。
・自分が相手に、「二人の関係を大事にしたい」と言っている場面をイメージする。
______________________________ ゲーム戦略操作
・ゲームの選択主体、戦略、利得をそれぞれ明らかにする。
・支配戦略、最適反応戦略、ナッシュ均衡を探す。